No.411
2008-07-13
コンベンションビジネス
494 船の旅・考
493 「キャタピラー」
492 急がば回れ!
491 三浦哲郎の歳月
490 未完絶筆 良寛
489 女優というもの
488 「クロッシング」
487 ペシャワール会 中村哲
486 独楽吟
485 6月15日に考える
484 究極の分かち合い
483 思い出袋
482 浦河べてるの家2
481 経営者人材
480 「茜色の空」
479 「嗚呼 満蒙開拓団」
478 追悼・井上ひさし
477 ホスピス・ものがたりの郷
476 拉致家族会
475 ものがたり診療所
474 実朝忌
473 地域金融
472 日韓併合100年
471 「逝かない身体」
470 春近し
469 みすず書房
468 イサム壮行会
467 労働市場の改革を!
466 天上大風
465 ベーシックインカム
464 捨てる心地よさ
463 「カティンの森」
462 回想の魔術
461 ノンエリートの社会空間
460 「普天間」を乗り切る
459 光州の記憶
458 死者よ来たりて
457 ビジネス・インサイト
456 率直な疑問
455 自己愛に沈む若者
454 続・演劇の力
453 演劇の力
452 「こどものその」
451 農業政策の分岐点
450 抱きしめたい8月
449 “こころ”という代物
448 不良少“女の一生”
447 湯布院と博多祇園山笠
446 男おひとりさまの老後
445 ふるさときゃらばん公演
444 名古屋市に注目!
443 トップ人事と秘話
442 バロン・サツマ
441 「グラン・トリノ」
440 「パンデミック」
439 後輩X君へ
438 すべてが廃虚に
437 「法然と親鸞」
436 「ムサシ」
435 ヒトを選ぶ
434 闇社会・京都の影
433 笑うしかないか
432 ラジオと映画
431 通訳から作家へ
430 「生き急ぐ」内村剛介
429 携帯を忘れた旅
428 1枚の賀状から
427 “がん”からの生還
426 2人の恩人との別れ
425 育英基金構想
424 レッドクリフ
423 アパの真相
422 無冠の車椅子
421 画家 木下晋
420 科学者たちの楽園
419 救急精神病棟
418 紅とんぼ
417 極道記者
416 機先を制する
415 新・脱亜論
414 浜口陽三・南桂子
413 朝の靴音
412 “友川カズキ”を贈る
411 コンベンションビジネス
410 キューバ
409 信長
408 横付けサービス
407 脱・脱ダムと新幹線
406 ポスト消費社会
405 黒山もこもこ
404 ふり返る勇気
403 吹田事件
402 伏木・没落旧家
401 「じゃあな」




 洞爺湖サミットがようやく終わった。関連報道はほとんど読まず、見ることもなく、やりすごした。無理矢理に作られたニュースというのは、何となく嘘っぽい。加えて、30億円をかけた留寿都のプレスセンターが気に入らない。廃校や炭住跡を利用するとか、貧しい日本の現実をもっと見せるべきである。往年の金持ち日本ではないのだから、その辺のところが政治家も官僚もわかっていない。
ところがサミット終了後の10日付け朝日新聞。奇妙な広告が掲載されている。何となく怪しい、裏に何かあるのではないか、第6感がうごめいた。噂の真相ではないが、貧乏人のひがみ根性で邪推してみることにした。
 「まずは北海道洞爺湖サミットのご成功おめでとうございます」。あの丸顔の猪口邦子が作り笑いで応じている。議員バッジを見て、そういえば少子化担当の大臣であったことを思い出させてくれた。対するは、広告主である日本コンベンションサービスの社長・近浪弘武。同社HPには、洞爺湖サミットの準備・運営・通訳にかかる業務委託を受けています、とまるで戦果報告のように大書されている。ということは、文字通りの自画自賛広告。同社の創業者である近浪廣は「裏方は花道つくりて花を見ず」を著わしている。コンベンション事業そのものは全くの裏方であるのに、まるでサミット成功は同社のおかげとする広告は矛盾するのではないか。広告費は朝日新聞全国版5段の見開きだから、700万円前後だろう。広告不況は想像以上に厳しいので、もっと安いかもしれない。もっと勘ぐってみると、外務省からの委託費が、ジャブジャブに余裕のあるものだったと想像される。ざっと20億円前後だろうか。参加国に対してそれぞれ通訳を配し、それなりの接遇をしなければならない。それも1年余り前からの準備である。参加国数も大幅に増えているので、我らが想像をもっと超えているかもしれない。更に勘ぐれば、なぜ朝日新聞なのか。
 同社の大株主は確か日本航空。創業40年というから、コンベンションビジネスの先駆的存在に間違いはない。バブルに沸いた頃がピークで、医学関連の学会、花博などの高収益事業で拡大しただろうと思われる。しかし、このビジネスは準備期間がやたらと長い。その間の人件費の立て替えなど思ったように収益が期待できないのだ。そのうえ行政などができない接待費が回されてくる。締めてみると、意外と赤字になっているケースが多い。
 観光立県とか、国際会議都市宣言とかして、コンベンション誘致競争が盛んになっており、第3セクターでコンベンションビューローなるものを設立し、誘致への補助助成も手厚くしているが、所詮一過性に過ぎないことを肝に銘じておかねばならない。狩猟型ビジネスに向く人間は、ハンティングに失敗すれば、飲まず食わずの月日も覚悟しなければならないということだ。
 地方のコンベンションではこんな側面もある。いわゆる東京料金。もう時効になっているから、かまわないと思うが、92年開催のジャパンエキスポ富山でのこと。あるパビリオンの運営を依頼された。約2ヵ月半の開催で、毎日4〜5人の人件費が大半で3000万円だという。結果は、半分が利益として残った。富山大学生を使ったが、日雇い派遣労働のうまみを吸ったともいえる。
 ところで、不況が深刻だ。富山駅前CiC入口の時計屋に修理を頼むと、社員が同じなのに社名が変わっている。時計部門を切り離すリストラで、従来通りの仕入先を確保した上で、個人で継続した。本業の主力は眼鏡であったが、弐萬圓堂、眼鏡市場の集中出店に大きな打撃を受け、CiC店の維持できないと事情を説明する社長に、何にもいえなかったという。ほぼ毎日利用する鮮魚店も浮かない顔である。売り上げが眼に見えて落ちている。これでは魚価が上がるわけもなく、漁業者の悲鳴を聞いてもどうにもならない。そんな嘆きに加えて、国際格付けAAA格の債券が次々に破綻している。国際金融情勢も想像以上に深刻だ。
 待つべき時は、その日に備えて覚悟して待つ。いまはそれだけ。

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