No.424
2008-11-27
レッドクリフ
494 船の旅・考
493 「キャタピラー」
492 急がば回れ!
491 三浦哲郎の歳月
490 未完絶筆 良寛
489 女優というもの
488 「クロッシング」
487 ペシャワール会 中村哲
486 独楽吟
485 6月15日に考える
484 究極の分かち合い
483 思い出袋
482 浦河べてるの家2
481 経営者人材
480 「茜色の空」
479 「嗚呼 満蒙開拓団」
478 追悼・井上ひさし
477 ホスピス・ものがたりの郷
476 拉致家族会
475 ものがたり診療所
474 実朝忌
473 地域金融
472 日韓併合100年
471 「逝かない身体」
470 春近し
469 みすず書房
468 イサム壮行会
467 労働市場の改革を!
466 天上大風
465 ベーシックインカム
464 捨てる心地よさ
463 「カティンの森」
462 回想の魔術
461 ノンエリートの社会空間
460 「普天間」を乗り切る
459 光州の記憶
458 死者よ来たりて
457 ビジネス・インサイト
456 率直な疑問
455 自己愛に沈む若者
454 続・演劇の力
453 演劇の力
452 「こどものその」
451 農業政策の分岐点
450 抱きしめたい8月
449 “こころ”という代物
448 不良少“女の一生”
447 湯布院と博多祇園山笠
446 男おひとりさまの老後
445 ふるさときゃらばん公演
444 名古屋市に注目!
443 トップ人事と秘話
442 バロン・サツマ
441 「グラン・トリノ」
440 「パンデミック」
439 後輩X君へ
438 すべてが廃虚に
437 「法然と親鸞」
436 「ムサシ」
435 ヒトを選ぶ
434 闇社会・京都の影
433 笑うしかないか
432 ラジオと映画
431 通訳から作家へ
430 「生き急ぐ」内村剛介
429 携帯を忘れた旅
428 1枚の賀状から
427 “がん”からの生還
426 2人の恩人との別れ
425 育英基金構想
424 レッドクリフ
423 アパの真相
422 無冠の車椅子
421 画家 木下晋
420 科学者たちの楽園
419 救急精神病棟
418 紅とんぼ
417 極道記者
416 機先を制する
415 新・脱亜論
414 浜口陽三・南桂子
413 朝の靴音
412 “友川カズキ”を贈る
411 コンベンションビジネス
410 キューバ
409 信長
408 横付けサービス
407 脱・脱ダムと新幹線
406 ポスト消費社会
405 黒山もこもこ
404 ふり返る勇気
403 吹田事件
402 伏木・没落旧家
401 「じゃあな」




 米外交筋は既に予見している。米中の狭間で右往左往し、右顧左眄する日本外交の姿だ。リマでは、去り行くブッシュとの首脳会談を30分という時間を持て余して切り上げ、そのブッシュが胡錦濤とは時間を延長して1時間も話し込んだという。世界同時大不況はアメリカの凋落、中国の台頭を明らかにしている。中国は今や世界一の外貨準備高だ。それはドル建てであるから、その動向がドルの命運を握っている。放出すればドルが大暴落し、米国債は見向きもされず、必死の予算投入による救済策も水泡に帰してしまう。
 麻生首相はいち早くIMFへの10兆円拠出を明言し、中国にも同様の拠出を促したが胡錦濤ははぐらかした。日本に回答するよりも、米国から頭を下げられての方が絶対に得策だということは誰にもわかる。オバマがどんな手を打ってくるのか、中国はその威信をどう示すのか、注目していかねばならない。どんな人にも影響を与えずには置かない。きちんと眼を見開いて、怖がらないでこの激動を見つめていこう。
 日本の歴代首相はアメリカのこととなると、国民をさておいて、前のめりになって焦ってしまう。10兆円とは消費税5%に相当する。お坊ちゃんの軽率ということになるが、来年4月まで続くのかと思うとと、もううんざりとしてしまう。
 歴史の大きな流れはどうか。大航海時代に君臨したポルトガル、スペイン、その後を受けて覇を唱えた英国、フランス、オランダ、そして産業革命だ。その生産力は大きく飛躍し、生産と消費を市場にゆだねる資本主義が大きく花開き、米国がその果実を享受してきた。ちょっと余禄に与った日本をあっという間に通り越して、中国へと中心軸は移動している。その後はインド、中欧に移るのだろうか。栄枯盛衰は西に向かって繰り返されているといっていい。
 さて、「レッドクリフ」だ。三国志のクライマックス「赤壁の戦い」を描く中国語による娯楽大作映画で、製作費は100億円を超える。2部作でPART?は来年4月というが、既に中国で48億円の興行収入を得ている。製作費の数倍は確実だろう。その製作費だが中国、日本、台湾、韓国が出資している。日本の出資会社はエイベックスで、30億円だという。そんな情報を得て、ファボーレ東宝に24日足を運んだ。ほぼ埋まっている。吉川英治の三国志で育ったシニア世代も巻き込んでいるのだ。ほぼ満足させる内容だった。
 なぜ今、三国志だったのかと考えてみた。中国は、製作配給を担う国内初の民間会社が資金を出し、人民解放軍兵士千人をエキストラで使わせ戦闘シーンを撮っている。国家の意思がこの映画を生んだといっていいのではないかと思う。北京オリンピック終了後の総括顕彰大会で胡錦濤はこうあいさつした。「中国は世界に対して人類文化の発展に貢献できることを示した。中華民族の偉大な復興途上のひとつの歴史的な節目であった」。偉大な中華民族の復活を強調している。北京オリンピックの高揚が、レッドクリフによって更に高まり、曹操が、劉備が、孫権が、この世界同時不況の現代に、まるで救世主のように復活してくる。そう呼びかけているようにも思える。
 激動する世界の中で、この中国と本格的に外交交渉をしていかなければならない。脅威論だけを叫ぶ政治家では対応できないことは明白である。台湾、韓国をまじえて東アジアの枠組みでの構築を思う時、このレッドクリフが先駆けてくれたのではないかと気がついた。エイベックス人脈を手がかりに、新中国外交の一歩を刻んでほしい。本当にそう思うようになった。経済でも、中国には不安要素はいっぱいあるが、米国の復活よりも中国に賭けた方がよいと思う。それにしても日本の“孔明”の出現が待たれる。
 そういえば関係ないことだが、高校時代に映画「十戒」を見た時、群集シーンは英語でモブ(MOB)シーンというのだと、友人の佐藤広明君が教えてくれたのを、なぜか今思い出した。

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