No.444
2009-06-22
名古屋市に注目!
495 「さすらいの舞姫」
494 船の旅・考
493 「キャタピラー」
492 急がば回れ!
491 三浦哲郎の歳月
490 未完絶筆 良寛
489 女優というもの
488 「クロッシング」
487 ペシャワール会 中村哲
486 独楽吟
485 6月15日に考える
484 究極の分かち合い
483 思い出袋
482 浦河べてるの家2
481 経営者人材
480 「茜色の空」
479 「嗚呼 満蒙開拓団」
478 追悼・井上ひさし
477 ホスピス・ものがたりの郷
476 拉致家族会
475 ものがたり診療所
474 実朝忌
473 地域金融
472 日韓併合100年
471 「逝かない身体」
470 春近し
469 みすず書房
468 イサム壮行会
467 労働市場の改革を!
466 天上大風
465 ベーシックインカム
464 捨てる心地よさ
463 「カティンの森」
462 回想の魔術
461 ノンエリートの社会空間
460 「普天間」を乗り切る
459 光州の記憶
458 死者よ来たりて
457 ビジネス・インサイト
456 率直な疑問
455 自己愛に沈む若者
454 続・演劇の力
453 演劇の力
452 「こどものその」
451 農業政策の分岐点
450 抱きしめたい8月
449 “こころ”という代物
448 不良少“女の一生”
447 湯布院と博多祇園山笠
446 男おひとりさまの老後
445 ふるさときゃらばん公演
444 名古屋市に注目!
443 トップ人事と秘話
442 バロン・サツマ
441 「グラン・トリノ」
440 「パンデミック」
439 後輩X君へ
438 すべてが廃虚に
437 「法然と親鸞」
436 「ムサシ」
435 ヒトを選ぶ
434 闇社会・京都の影
433 笑うしかないか
432 ラジオと映画
431 通訳から作家へ
430 「生き急ぐ」内村剛介
429 携帯を忘れた旅
428 1枚の賀状から
427 “がん”からの生還
426 2人の恩人との別れ
425 育英基金構想
424 レッドクリフ
423 アパの真相
422 無冠の車椅子
421 画家 木下晋
420 科学者たちの楽園
419 救急精神病棟
418 紅とんぼ
417 極道記者
416 機先を制する
415 新・脱亜論
414 浜口陽三・南桂子
413 朝の靴音
412 “友川カズキ”を贈る
411 コンベンションビジネス
410 キューバ
409 信長
408 横付けサービス
407 脱・脱ダムと新幹線
406 ポスト消費社会
405 黒山もこもこ
404 ふり返る勇気
403 吹田事件
402 伏木・没落旧家
401 「じゃあな」




 高齢者専用賃貸住宅(高専賃)の運営をNPO法人でやったらどうか、と提案したところ、とても難しいという壁にぶつかった。この地域ではNPOを説明するのも難しく、最初につまずいてしまう。しかも寄付とボランティアのイメージが強く、なぜボランティアに委託費なのか、とても言い出せない。突き詰めていくと責任主体が消えてしまうのではないか、そんな組織が長続きするのか、などなど。壁はとても厚そうに見える。
 提案の趣旨はこうだ。入居者は60歳以上で、自立した生活を営めるのが条件だが、早晩認知症などの発症リスクを誰もが抱え込んでいる。そんな不安に、必要最小限の“おじいさん管理人”の3交替管理では、とても覚束ないのは明白。認知症の予防を前提とし、そうなった時の対策をどうするか、備えておくべきである。何よりも他の入居者に迷惑がかかり、突然の退去通告では無責任であり、家族にしてもとても受け入れられないだろう。これが何よりの先決課題。そのために、健康情報を共有し、あらゆるリスクにも対応できる、心地よいコミュニティを作り上げていくべきで、機転のきいた小気味のいい、健康福祉文化に通じた“コンシェルジェ”的な管理人が必要である。入居者自治に加えて、地域への展開を考えれば、NPOこそ最適な組織だ、というもの。
 さてどうしたものか、と思っているところに、「経営力向上目指し、NPO全国で連携組織発足へ」(5月9日北陸中日新聞)という見出しが飛び込んできた。日本サードセクター経営者協会で、通称JACEVO(ジャキーヴォ)と呼び、9月1日スタートさせるという。発起人は後房雄・名古屋大学大学院法学研究所教授。富山県氷見市出身である。これも縁ということで、6月1日名古屋で開かれた会員募集のためのフォーラムに出かけた。もちろん北陸東海自動車道を走る高速バス利用で3時間半、この4月から相棒となった大学院生のY君も同行した。
 これからは、名古屋市に注目である。民主党・河村たかしが名古屋市長戦出馬に際して、そのマニフェストづくりを指南したのが発起人・後教授。圧倒的な投票で当選した河村市長は、その野心的な試みを現実に展開しようとしている。微妙ないい回しながら、例えば子供への虐待から守る行政施策を、すべてNPOにゆだねるということが名古屋市で実践されるという。その他にもあり、NPOが公共サービスを担えるかどうかの試金石でもある。行政施策の実施はほとんど「官」が担ってきたが、その肥大化、非効率は目に余ってきているのだが、官から民へという掛け声だけで、担い手をどうするかはなおざりになっていた。そこへの切込みでもある。
 NPO法(特定非営利活動促進法)が成立して11年が過ぎる。全国でほぼ3万6000のNPO法人が活動している。ところが社会的にインパクトのある活動が可能となる年間財政規模3000万円規模となると、NPO法人の14%に過ぎない。事務局スタッフを抱えるのはその60%で、多くが1〜2人、常勤スタッフの年間給与は166万円となる。最大の原因はリーダーの意識にあり、草の根主義、功利への過度な嫌悪など、とかく内向きになりがちだとする。その意識改革こそJACEVOの目的ということになる。
 二宮尊徳いわく「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」。このバランス感覚を、高いレベルで求めていくものと理解し、富山県第1号のJACEVO会員となることを決めた。JACEVOというのは、ロンドンに本拠地を置くACEVO(全英サードセクター組織)をモデルにした日本版という意味である。しかるにサードセクターとは、「官」と「民」に並ぶ3番目の組織分野で、社会的課題を解決する広範な組織群を示す。
 成算があるわけではないが、とにかく今は前に進むしかないだろうという心境である。悩める若者達よ!身近に君達を必要としている分野があることを忘れないでほしい。

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